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まあ高1の時に同じクラスで、一番初めに話しかけてきた人だった。 それから名前の由来や住所を教えあった。 彼女の名前の由来は天使からとったそうだ。 「でも偶然だな。」 「うん、本当に偶然だね。」 僕の散歩コースに一人追加された。 「そういえば渕嶋、ひとりかくれんぼって知ってるか?」 「ひとりかくれんぼ?・・・一種の降霊術だね。まさかやったの?」 「いや、幼なじみが試したんだ。」 「星宮さんだね。」 そういえば嘉奈に渕嶋を紹介したっけな。 やはりひとりかくれんぼはメジャーなものなのか。 「メジャーもなにも、今はインターネットがあるじゃない。」 渕嶋のいう通りか。 某サイトでは実況プレイなんてスレがあるし。 でもやりたくはないな。 「じゃあ僕は散歩に戻るよ。」 「バイバイ。」 渕嶋はポニーテールをなびかせながら僕の横を通りすぎた。 そしてこの時、僕はふと、本当になんとなく嘉奈の家に行こうと思った。
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