62人が本棚に入れています
本棚に追加
そんな思いつきを実行し、星宮家の前まで来た。
一軒家はマンションに住んでいる僕にとって、憧れの場所だ。
高校を卒業したら絶対に一軒家に住んでやる。
『ピンポーン』
返事がない。
嘉奈の両親は出かけているのだろうか?
玄関のドアに手をかけると
「・・・開いた。」
無用心にも程がある。
何度か遊びに来たことはあるので、嘉奈の部屋がどこだかちゃんとわかる。
嫌な予感がする。
「おじゃまします。」
靴を脱いで、廊下を進む。
階段を上り、嘉奈の部屋の前に立つ。
異様な程静かで、冷や汗が流れる。
おかしい。まるでこの家だけ違う世界にいるような錯覚に陥る。
意を決して、僕は嘉奈の部屋に踏みいった。
最初のコメントを投稿しよう!