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「君、名前は?」
女の子にいきなり聞かれた
女の子は小豆色と赤色の間くらいの髪色でポニーテールにしている
着ている服はワンピースだがおよそ活発なイメージを受ける
「一年の網走………です」
とりあえず答えてみる
「網走か…………
いい名前だな」
俺個人としては網走の名前はイマイチ好きでは無かった
なにせ同級生は皆漢字で名前を書くのに俺だけは相変わらずひらがなだったからだ
難しいんだ網走の『網』が
「私は神条 紫杏、三年だ
よろしくな、網走」
言うが早いかこちらの手を握り、半ば強制的に握手に持ち込む
まぁ俺も抵抗する気はないけど
「それより、なんで暗い顔をしているんだ?」
「えっ!?
それは……………」
正直話しずらかった
何せとても信じられない出来事だからだ
一体誰が「お父さんがボールになった」と言って信じるだろうか?
「話しずらい事情でもありそうだな」
少し口を濁した俺に神条さんは心配そうに聞いてきた
「まぁ無理に話せとは言わない
それよりお姉ちゃんと一緒に遊ばないか?
一緒に遊べばきっと楽しくなる」
そういうと俺の手を引いて、神条さんは公園内を走り出した
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