プロローグ

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えぇ~っと、まず俺は八雲桜輝(やくもおうき)、17歳、高校2年生。 たしか今日はいつも通り遅刻寸前に学校に着いて始業式だけだったから終わったらソッコー家に帰ろうと思ってて、いつの間にかこの状況…………うん、やっぱりわかんねぇ。 俺がこんな場所にいる意味がわかんねぇ。 だいたいココって一体どこだよ。 窓もないから外が見えん。 後なんで俺は椅子に縛りつけられてんだ? 椅子縛りプレイか? そんなプレイ聞いたことも見たこともないけど。 こんな時はどうすればいいんだろうか。 …………うん、ダメだ、わかんねぇことが多過ぎる。 たとえ頭がパーティーしてなくても整理できんわ。 「レッツエンジョイプレイ!!!」 …………ゴメン、なんか誰もいなくて静かだからさ。 頑張って気張ろうと思って、テンション上げたかったんだ。 こんな状況で上がる訳ないんだけどね。 にしても何故あの言葉だったんだろう。 今この状況であの言葉を言うと俺がこの椅子縛りプレイを楽しんでいる様にしか見えないじゃないか。 なんということだ……。 俺にはそんな趣味趣向は持ってないと思ってたのに…………。 俺ってそんな変態だったか? 俺は、俺は、なんという言葉を発してしまったんだぁぁぁぁぁ!!ぬおぉぉぉぉぉ!! と、そんな自己嫌悪に陥っていると外から『ドカアァァァン』という爆発した様な音が聞こえてきた。 「んっ?なんだ?なんだなんだ!?今の音はなんだ!?気になる!凄~く気になる!外で何をしているのかもの凄~く気になる!!」 そしてその瞬間俺は思う。今!俺のテンションは!爆音によってかなり上がっていることに! てか爆音でテンション上がるならあんなこと言わんければ良かった!! と思いつつも俺は外に出てみようと試みてみる。 「えぇい、俺を椅子に縛りつける忌ま忌ましい縄め!俺をこんな暑苦しい場所に閉じ込める小屋め!今俺の自由を縛りものが憎い!憎いぞぉぉぉ!!」 こんな縄引きちぎってやるわぁ!! 「えぇいままよぉ!!!」 ブチィッ!! 「あ、あれ?ちぎれたぞ?」 テンションで頑張ってみたけど、案外簡単にちぎれたな。 「…………たまたまだな。うん、たまたま。俺みたいなモヤシに縛りつけてある縄をちぎれる訳ないもんな」
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