871人が本棚に入れています
本棚に追加
/276ページ
昼休みになり、裕翔に教科書を借りに行った。
「あれ?裕翔は昼飯もう食べたの?」
いつもなら裕翔は友達とパンを食べているのに、今日は食べていなかった。
「うん。今日は朝ご飯食べ過ぎて入らないんだ」
「そっか……あ、国語貸してくれない?」
「うん!はい」
裕翔は笑顔で教科書を差し出した。
裕翔に別れをつげて教室を出た。
そのとき、隣の教室から声がした。
「ほら。私妊娠しちゃってお金ないんだ。カンパしてくんないかな?友達だよね?」
―――この声は田中か。
その前にはおとなしそうな子が立っている。
俺は窓から離れ、自分の教室に入った。
___
最初のコメントを投稿しよう!