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「本当に僕、ずっと好きだったんだよ。ずーっと。だから、僕にちょうだい」
「ちょ、ちょうだいってちぃ……そんな、涼ちゃんはモノじゃないんだよ?」
「わかってるよ。裕翔くん……裕翔くんと僕の違いは、山ちゃんとどれだけ長い時間一緒いられたかってことだけ。裕翔くんのほうが、ずいぶん長い時間いられたんだからね」
「ちぃ……」
僕は突然の知念の言葉に
驚きを隠せなかった。
「ほら、またそうやって泣く。泣いて情引こうって?悪いけど、僕には通じないからね。じゃ」
去ってゆく知念の背中は
凛としていた。
自信に満ちあふれていて、
昔と変わらない。
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