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「裕翔!!」
学校に着き、裕翔のクラスに行くと裕翔が窓際に座っていた。
俺が叫ぶと裕翔はこっち振り向かずに、声だけで返事をした。
俺は駆け寄って肩をつかみ、こっちをむかせた。
「裕翔!!……最近」
むかせた瞬間に俺は思わず言葉が詰まった。
目の前にいるのは、ほほが赤くなり、すり傷があちこちにある裕翔。
「……どうしたの…」
「昨日……こけちゃった…」
口は笑っていても
目が笑っていない。
「田中じゃないのか?」
すると裕翔はびっくりしたような目でぱちくりさせた。
そのあと、裕翔は肩を震わせ、目からは大粒の涙があふれだした。
「ごめ……でも…助けてあげたくて……なんでもいいから……子供の顔が見たいって田中くん……」
「バカ!!田中は中絶代だけ巻き上げてんだよ!!だいたいなんではらうんだよ…」
「俺も……自分の子供の顔……みたかったから……気持ち、わかる……の」
「いつか見れるだろ!!」
「無理なんだ………」
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