*高校3年 秋…2*

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俺は何度も言った。 「裕翔、本当にいなくなっちゃう……俺をおいていくんだよ……」 そのたびに大ちゃんは 大丈夫だから と何度も言った。 電話を切った後も 俺は待った。 涙も枯れて目を腫らし ながらひたすら 『手術中』 の文字をにらんだ。 しばらくすると、 ドアが開き ベッドに寝ている裕翔がいた。 裕翔は意識がなかった。 自分では呼吸が できないらしく、 人工呼吸器がついていた。 裕翔の細い体の あちこちに チューブがつながっていた。 ___
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