*中学3年 冬…4*

3/28

871人が本棚に入れています
本棚に追加
/276ページ
少しずつ、寒くなって、だんだんコートを羽織らなくちゃ過ごせないようになってきた。 今日も、家を出て、隣の涼ちゃん家のチャイムを鳴らす。 すると、 いつものように涼ちゃんのおばさんが出てきて、いつものように私に 「ごめんね、いつもバカ涼介が」 って謝る。 そしたら、涼ちゃんが奥から出てきて、 「ごめん!」 って寝起きの顔で、また謝る。 僕はニッコリ笑う。 「いいよ。行こう!」 って言ったら、涼ちゃんは僕の手を引いてニッコリ笑う。 繋いだ手は、本当にあたたかくて手袋なんていらないくらい。 少し赤くなった鼻を見て、お互いに笑って、もっときつく手を繋ぐんだ。 ____
/276ページ

最初のコメントを投稿しよう!

871人が本棚に入れています
本棚に追加