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僕は早足で帰り、荷物を置いて玄関を飛び出した。
そして、いつものように
涼ちゃんの家のベルを押した。
……家にいるはずだよね……。
ドキドキしながら待っているとドアが開いた。
「涼ちゃん!!」
僕は顔を上げ、叫んだ。
すると、
出てきたのはおばさんだった。
「あら、裕翔くん!」
「おばさん、涼ちゃんは?」
僕はすぐに聞いた。
「え…さぁ。帰ってきたと思ったら、すぐ出かけったけど。最近ずっとそうなの」
「帰りは?遅いの?」
僕は体の中の血が
引いていく音がした。
「遅いみたい。11時すぎなんかになったりね…なにやってんだか」
「そっか……。ありがとう、おばさん……」
少し頭を下げて、門を閉めた。
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