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今思えば、
このころの俺たちはいちばん幸せだった。
――3年前冬――
「涼ちゃん、おはよっ」
「おはよ、裕翔」
俺たちは中3になっても毎日学校に一緒に通っていた。
まわりからは「恋人か?」なんてよく聞かれた。
けど俺はそう思われて良かったし、裕翔も否定はあまりしなかった。
このころ、まわりは
受験戦争に追われていた。
ひたすら勉強に勉強を重ねて。
裕翔はもとから頭が良く
日ごろの積み重ねがある分
いまさら詰めて勉強をしなくてもいいみたいだった。
俺はバスケの
スポーツ推薦で学校が決まっていた。
まわりが熱くなって
イライラする中
俺と裕翔は平穏に過ごした。
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