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そのとき、窓からこもれる光が裕翔とピアノをきれいに照らした。
俺は、なんでかわからないけど涙を流した。
卒業は悲しいけれど
それ以外の悲しさが
胸を刺す。
涙で、裕翔が歪んで見えた。
「涼ちゃん……?」
涙を流す俺に気づいた裕翔が
手を止める。
「……大丈夫。ごめん、続けて……」
涙を拭いて、笑って見せる。
「わかった」
裕翔も少し笑って、また弾き始めた。
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