*中学3年 冬…5*

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その後クラスで オリエンテーションを済ませ、それぞれ解散した。 「山田ぁー」 門をくぐる直前に後ろから呼ばれた。 振り向くとマリコがいた。 「今までありがと。あのさ、知ってると思うけど……私、山田のことずっと好きだったんだ」 マリコは今までにないくらいに真剣だった。 「でも、つきあってほしいとか考えてないよ。大事な人がいるもんね」 「うん」 「だから、幸せになって」 「ありがと。マリコ」 俺はマリコに笑った。 マリコは涙を流しながら笑った。 さよならをつげ、 裕翔と手をつなぎ 門をくぐった。 これが… 俺と裕翔が一緒に過ごした 最後の卒業式だった。 ____
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