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下町
松←浜
"元の関係に―――、"
………っあぶな。
また、あふれそうになったおもい。
元の関係に戻れへんか、なんて。
死んでも言わない。
言えない。
どんなに俺があいつを好きやろうと未練たらたらやろうと、そんなの、あいつにしたらなんも関係あらへん。
もう何年も、閉じ込めてきた。
開くことがないように全体重かけて必死に踏ん張ってきたのに。
「なんで、今さらなんやろうな」
先に結婚したのは俺。
あいつは、裏切ったなんて顔もしなかった。
普通に普通の顔で「おめでとう」と、それだけ言って軽く笑ったっけな。
若さ故の過ち――だと思いたかった。
好きで、堪らない。
あいつも、俺も、家庭を持って。
今じゃ楽屋も違ってプライベートで喋ることなんぞほとんどないけど。
ましてや
『昔の話』
なんて。
でもな、松本…
後悔はしてへんねん。
どんなに汚れていようと間違いだらけだろうとそんなん知らん。
俺の過去は、お前だけ。
「おい」
「……ん」
「どうにかしてくれや」
「…は?」
(好き。好き。好き。
嗚呼――、裏切ったのは俺なのにどうしてこんなにも求めてしまうのか。好きやねん、好き。)
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…キャラ崩壊どころじゃないのは重々承知しておりますが、萌えるんだもの、書きたかったんだもの。
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