Maybe~運命の糸

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「あれ?その制服……○○高校、ですよね?先輩ですね!ネクタイが赤ですもん。」 目の前の彼女は立ちながら上から下まで俺を見てから、俺と同じ学校の名前を口にした。 「え?ウソ!マジで?!うわー、すげぇ。漫画みてぇ」 俺はそうは言ったけど、内心すっごいドキドキしてた。 だってこの子めっちゃ可愛い! 「あ!ていうかヤバいです!遅刻しちゃいますよ先輩!」 「ああ!そうだった!走ろっか、えっと……」 「愛美です。木之本愛美。」 走りながら笑顔を向けてきた彼女、愛美。 ……やばい、キタ。 「じゃあ愛美って呼ぶわ!俺は拓海。佐野拓海」 俺は頑張って普通に笑顔で愛美に名前を教えたけど、心像は破裂しそうだった。 ――そうです、俺は愛美に一目惚れです。 “偶然”同じ日に遅刻しそうになってて、ぶつかって、“偶然”同じ学校で、俺は先輩で相手は後輩で、こんなに重なった“偶然”を、俺はちょっと本気で運命だと思った。
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