12人が本棚に入れています
本棚に追加
「あれ?その制服……○○高校、ですよね?先輩ですね!ネクタイが赤ですもん。」
目の前の彼女は立ちながら上から下まで俺を見てから、俺と同じ学校の名前を口にした。
「え?ウソ!マジで?!うわー、すげぇ。漫画みてぇ」
俺はそうは言ったけど、内心すっごいドキドキしてた。
だってこの子めっちゃ可愛い!
「あ!ていうかヤバいです!遅刻しちゃいますよ先輩!」
「ああ!そうだった!走ろっか、えっと……」
「愛美です。木之本愛美。」
走りながら笑顔を向けてきた彼女、愛美。
……やばい、キタ。
「じゃあ愛美って呼ぶわ!俺は拓海。佐野拓海」
俺は頑張って普通に笑顔で愛美に名前を教えたけど、心像は破裂しそうだった。
――そうです、俺は愛美に一目惚れです。
“偶然”同じ日に遅刻しそうになってて、ぶつかって、“偶然”同じ学校で、俺は先輩で相手は後輩で、こんなに重なった“偶然”を、俺はちょっと本気で運命だと思った。
最初のコメントを投稿しよう!