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「なんか恥ずかしかったです」
「ん?」
2人で並んで歩いていると、愛美がふと呟いた。
俺は愛美が言いたい事はわかったけど、あえて愛美に言わせるようにとぼけてみた。
「だって、先輩のお友達にいろいろ……その……か、可愛いとか。私、恥ずかしくてなんかもう…………」
「……だって愛美可愛いじゃん」
愛美が顔を赤くしながら話すのを見て、その姿さえ可愛くて、口に出してしまった。
「そっ、そんな事ないです!なななな何言ってるんですか……?!」
「はははっ!愛美照れすぎー」
俺は照れた愛美を見て立ち止まり、愛美の髪をくしゃっと撫でた。
その行動にさえ驚いて照れる愛美は、こんなに可愛い生き物は居ないんじゃないかってくらい可愛かった。
「今からそんなんじゃ、この先持たないんじゃない?」
「何がですか……?」
「……ふっ、わかんないなら内緒にしとく!」
俺がそう言って先に歩きだすと、愛美は「え~?」と不満を漏らして頬を膨らませながら俺の後ろを小走りしてくる。
――何なのこの可愛い生き物。
「……愛美!来い!」
「えっ?」
俺は愛美の方を見てから走りだして、愛美から少し離れた所で止まる。
そして、愛美の方を向いて両手を広げて立ってみた。
「先輩っ!」
愛美は一瞬恥ずかしがりながら下を向いて戸惑ったけど、俺に向かって走ってきて、俺の胸に飛び込んできた。
恥ずかしさが捨てきれてない愛美の俺の服を掴む手は、ちょっとだけ震えていたけど、それもまた可愛かった。
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