36人が本棚に入れています
本棚に追加
30秒程で揺れは収まったが、それと同時に墓から無数の白骨化した死体が飛び出してきた。
「いやあぁぁぁぁぁ!!!」
ベルニカは自分の感情を制御するとこが出来ず、さらに声を張り上げて叫んだ。
エルは墓から出てきた白骨死体に視線を送った。
死体たちは、肉体が滅び体は紛い物のくせに、武器は本物の剣や槍を持っている。
エルは身構えた。そしてその瞬間、数体の白骨死体がエルを目掛けて武器を振りかざした。
あらかじめインプットされているような単調な攻撃。エルは白骨死体の初太刀を難なく避け、腰に挿してある木刀を抜く。
エルは木刀を抜くと正確に且つ素早く白骨死体たちの戦闘能力と機関部の行動選択の余地を殺いだ。
機関部を潰された白骨死体たちは、バラバラに砕かれ地面へ崩れ落ちる。
「くそ!! 数が多すぎる」
エルは倒しても直ぐに他の白骨死体に囲まれ、自由に身動きが出来なくなった。
そんな状況の中、一体の白骨死体が頭を抱えて踞っているベルニカの背後に立つ。
そして、戦意のない彼女に対して、刀を振りかざした。
「ベル!! 危ねーー!!」
エルは自分の目の前にいる白骨死体の機関部を潰しながら名一杯叫んだ。
ベルニカはエルの声で異変に気付き、恐る恐る顔を上げた。
最初のコメントを投稿しよう!