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エルはベルニカの指に沿って視線を移した。
すると、南京錠で閉ざされた石の扉と、文字が書いてある大きな石板が確認出来る。
エルが石板を見たことを確認したベルニカは、まるで小学生が音読するようにハキハキと石板の文字を読み始めた。
『力を求める者………
力が欲しくば正統なる証を示せ………
無闇に力を求める者………
無きアスカの逆鱗に触れることを覚悟せよ………』
ベルニカが読み終えると、エルはすぐさま尋ねた。
「これ………、どういう意味だ??」
エルの問い掛けに対して、ベルニカが答えを持っている訳もなく、力の抜けた声で答える。
「さぁ……。そんなのあたしに聞かれても分かるわけないでしょ!?」
「そうか。それもそうだよな………」
エルはそう言うと、石板を眺めながら南京錠の着いている石の扉に近づいて行った。
そして、エルは南京錠に手をかける。
南京錠はとても古びていて、触れれば冷たさが伝わってくるがギシギシと低く唸るだけでビクともしない。
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