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「や、やっと着きましたか…」
魔法の森の入り口の、
小さな古道具屋。
聖は入り口が何処かわからず、
探し回っていた。
「ここの店主さんですね。
客として来た人には愛想良く
接するそうですが…」
手持ちの金はあまり多くはない。
早くも不安になる聖だったが、
勇気を出して戸を開けた。
「いらっしゃい。
…おや、見かけない顔だね」
「白蓮聖と申します。
以後お見知りおき下さい。」
ここでも礼儀正しく頭を下げる。
店主である森近霖之助は、
本を閉じて軽く会釈を返した。
「僕は森近霖之助だ。
少々非売品もあるが、
遠慮なく見ていってくれ。」
「あ、そうさせていただく前に
あなたに聞いてもらいたいことがあるのですが…」
「何かな?
答えられる範囲なら答えるが」
少女説明中
「人間と妖怪の共存…
君も随分と難儀なことを
目標にしたものだね…
あ、思い出した。
君は確か空飛ぶ船に
乗っていたんだっけ?」
「え?あ、そうですね。」
霖之助の表情が変わった。
ある意味では良いことだが、
若干方向が斜めになっている気もする。
青年興奮中…
「いや、恥ずかしいところを見せてしまった。
空を飛ぶ船については色々と興味があったんだ」
「いえ、気になさらずに。
確かに珍しいですよね、
船が空を飛んでいると」
聖はあくまで穏やかだった。
それから話は進み、
気が付くと辺りはすっかり
暗くなっていたために、
聖は星蓮船に戻ることになった。
「あ、話に夢中で本題について
回答してもらってない…」
とりあえず別の方から
当たってみよう。
聖はこの日早めに就寝した。
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