50人が本棚に入れています
本棚に追加
「さあ咲夜、出来たわよ」
「おめでとうございます。
その前に一つ宜しいですか?」
図書館の奥にある実験室。
咲夜を呼び、パチュリーは新たな薬の調合実験を行っていた。
しかし作業は小悪魔に手伝わせ、
咲夜はなにもしていない。
咲夜はもう一度口を開いた。
「私は、何故…
縛られているのでしょうか?」
椅子に縛り付けられていた。
ご丁寧に、
能力を封じる結界付きだ。
「決まってるじゃない、
実験台になってもらうためよ?」
さも当然のように言い放つ。
「はぁ」
咲夜は頭が痛くなった。
効き目が一番分かりやすいのは、確かに人間である自分だ。
しかし自分はメイド長。
それも、他のメイドは家事が出来ないため、唯一の働ける力を持った、だ。
「仕事に差し支えがあっては、
困ります。」
「身体に悪影響はないから平気」
言うなり薬を口に押し込む。
思わず飲み込んだ咲夜。
「けほっ…酷いですわ」
咳き込む咲夜が
ゆっくりと顔を上げた。
その目に写った世界は、
すべての輪郭がぼやけた世界。
「目が…?」
「正解、
今の貴女は鼠ほども視力がない」
「差し支え有りまくりじゃ
ないですか!」
「まあまあ、
これ貸すから我慢なさい」
差し出したのは眼鏡。
かけてみると、普段の世界が視界に飛び込んできた。
「では私はこれで…」
これ以上変な事をされない内に、
咲夜は仕事に戻った。
「ええ、仕掛けは済んだわ。
いつでも大丈夫よ」
最初のコメントを投稿しよう!