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「おーっほほほほほ!
そんな弾幕で倒せると思った!?
この泣く子も黙る裏ボスを!!」
「黙りなさいババア!!
すぐ地面を舐めさせてあげる!」
「またババアって言ったわね!?
頭来たわよ!!
式神『八雲藍』&式神『橙』!」
二つのスキマから飛び出した、
紫の式とその式。
三対一なんてやっぱり卑怯。
でも、なんだか様子が変だ。
「あの、紫様。
一度戻してくれませんか?
火を消し忘れていたもので」
「zzz………」
「ええい、そんなの後回しよ!
橙も起きなさい!!」
「橙は頑張って魚を五匹も獲ってきてくれたんです。
何処かの誰かと違って惰眠を貪っているわけではないのですから、
多目に見てあげてくれませんか?
紫様が遊びに出掛けている間、
橙は私の家事も手伝ってくれたんですよ。」
なんか今日は従者が黒い。
紫は涙を堪えて声を張り上げた。
「藍、主人として命令よ!
私に協力しなさい!」
しかし相手は冷静で、
文字通り紫の身を裂かんとばかりに冷たく言った。
「そんな立場を傘にするような妖怪だったのですか?
見損ないましたよ、
賢者ともあろう方が。
それに戸棚にあった橙のおやつも
大事に残していた私の油揚げも、
全部食べちゃいましたよね?
明日から自分の食事は自分で作ってくださいね」
「え、ちょ、あの………藍?」
「何 で す か ?」
「ごめんなさい」
即答してジャンピング土下座し、
スキマを出現させる。
藍は橙を抱き抱えて
さっさと帰ってしまった。
「さあ、いくわよ!グスン」
「無理せず帰ったら?」
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