完全で瀟洒で総受けで

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「相変わらずの腕前だな」 「どうも。」 「休みの日はあるのか?」 「次の休日は三週間近く先だったかしら」 「人間だったよな?」 「ええ」 家事の手伝いも終わり、 和気あいあいと雑談する二人。 ここに来た過程など忘れている。 「私はよく立場の近いものと飲みに行くんだが、次の休日に来ないか?」 「良いわね。休日って何すれば良いかわかんないし」 「趣味とかやれば良いだろう」 「難しいのよ。珍しい物を探すの」 咲夜は珍しい物を収集するのが 趣味で、彼女の部屋には怪しい骨董品などが数多く転がっている。 それをどうしているかは不明。 恐らく磨いたり眺めたりしているのだろう。 「藍さま、お客様です」 廊下からひょっこり橙が顔を出した。 「そうか。誰だ?」 「レミリアさんです。」 「お嬢様が?」 咲夜は敏感に反応した。 まさか主の手を煩わす羽目になるとは思っていなかった。 「咲夜、帰るわよ。はい着替え」 持っていた袋を手渡す。 咲夜は少し申し訳なさそうに受け取った。 「すみません、お嬢様………。」 「あなたに非はないわよ。 ああ、咲夜の相手してくれてありがとうね」 レミリアは藍の方を向く。 「You're welcome。」 「日本語でOK」 「ところで紫様は?」 言われてレミリアが指差した方を見た。 紫がしくしく泣いている。 何かあったのだろうか。 確実に何かあったことは確かだ。 「何したんですか」 咲夜が恐る恐る聞く。 黒い笑みを浮かべ、レミリアは 「咲夜にいつか撃った、 運命を変えさせない鎖で縛って ちょっと色々しただけ」 思い出し笑いしている所を見ると ロクでもないことやったんだろうな、と思う咲夜だった。 「ところで、なんで着替えが ドレスなんですか?」 「お茶会するんだもの、 少し位おめかししてよ。」
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