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「あぁ、ほらやっぱり。浅深より格段に可愛い。」
「依智!」
すっくと立ち上がった依智は、階段を上がってすぐの部屋に入ってすぐに衣類を浅深の上に落とした。
「下着ない。」
「買ってきなよ。」
「サイズわかんない。浅深がAだから、やっぱりAかな。百均に売ってる?」
「測れ!」
いつの間に作ったのか、ICHI BRANDのヒラヒラふわふわのキャミソール型の白いワンピースを着せる。
なんでサイズがピッタリなのか気になりはするが、清純さが際立っている。
「名前はサーシャ。依頼人は居ない。」
「依智の趣味悪いよ。」
「そうかもね。姉をモデルにするぐらいだから。」
依智の姉、浅深もまた天才である。バスケット選手として多くの大会で優勝旗と優勝カップを手にし、弱冠僅か15歳で世界に名を轟かせ、女子バスケット界のトップに君臨する女帝であるが、それ以外は普通である。
「依智の人形って、魔力無くなったらどうなるわけ?」
「さぁ?人に成りうるかもしれないし、人形で終わるかもしれない。そもそも、サーシャみたいな人形の命は契約の元に動いている。」
契約。
それ則ち、魔王との契約である。
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