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どんな男だ。それは。自分の知らない所で浅深人形一号が好き勝手されているなんて考えたくもない浅深だったが、そこはあえて聞きたくはなかった。
「その人さ、普通にアサミって名付けて、溺愛してたよ。」
「やめてよ!なんで姉を売るような事するかな!」
「姉は売ってない。人形を売っただけ。」
まぁ、その時の男がまさか芸能人で、大人気の俳優で、まさか家じゃ狂ったようにその人形を愛しているとは、依智の口からは言えなかった。
「もし、その人形がいらなくなった時ってどうするの?」
「……………人形といっても、感情はある。それが俺の人形だから。捨てるなんて事はしない。回収するよ。回収した人形で、欲しいという人が居れば売るし。」
この人形達には人と同じように感情がある。
それは、これから先、別れと出会いが繰り返される事を示唆している。そして、中には人を殺す事に快感を持ってしまった危険な人形も。
その危険な人形が最近増えはじめてる。なぜかは依智ですらわからない。
ただ、自分の創った人形である事は確かである為、自らの手によって処分しなければならない人形も出始めているのもまた確かであった。
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