信じる?

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その時、後ろのベッドから 『そんなロマンティックな話かよ?』 と笑いながら カーテン越しに声がし、 ちょっと、ムッとしてると シャーとカーテンが開き、 頭をかきながら 一人の男子が出てきた。 シャツは出しっぱなし、 ズボンは腰パンにし、 口を大きく開け欠伸をする姿は、 まさにだらしが無かった。 すると、先生が 「あら、ごめんなさい  起こしちゃった?」 と腰を上げようとするのを 「あ、何かうるさくて  今日はもう大丈夫っす」 と緩く手で制すると、 「失礼しました~」 と扉に手をかけて あっと言いうと、 何を思ったか いきなり振り向き、 「さっきの話、  ただの青い刺繍糸のことだろ」 と言い放つと ぷっと噴き出し 扉を開けて 何がおかしいのか 笑いながら出て行った。
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