海の底の女の子

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コンコンコン 岩を叩く音が響くと、あちらこちらで固まって話し込んでいた少女達が、一斉に散らばり始める。 「じゃあ、絶対に秘密だからね」 「分かってるって。 また後で続き聞かせて」 軽く微笑んで見せてから、リオは自分の席に急いで向かい、滑り込むように座った。 教室を見回し全員が席に着いた事を確認すると、アマンダは教室の前方に据えられた高い岩の上に座る。 そこは生徒全員を見下ろせるほどの高さがあり、生徒全員の動きを眺めることが出来た。 少女ばかりの生徒達はアマンダをぼけっと見上げながらも、つまらなそうに色取り取りの尾びれを振っている。 コツコツコツ 再度繰り返されたアマンダの合図に、金色の尾びれを使って器用に砂に落書きをしていたリオは慌てて顔を上げた。
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