海の底の女の子

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「さあ、今日はお待ちかねの実習の話を先にしてしまいましょう」 思いがけないアマンダの言葉に、教室中がざわめいた。 「もうそんな時期かあ」 「私ずっと楽しみにしてたの!」 あちらこちらで少女達の高い声が交わされる。 しかし教室中がどよめく中、ただ一人、リオだけが沈み込んだ顔で床を見つめていた。 リオが少し顔を揺らすたびに、腰まで伸びた藍色の髪が浮かんでは落ちてくる。 リオの瞳と同じ色を持つ豊かな髪は、動くたびに光を受けてまるで銀色の波のようだ。 コツコツコツ 少女達がはっとした表情で前に向き直ると、アマンダは険しい顔で先を続けた。 「あなた達は来週から陸へ上がることになります。 期限は三日間。 この実習を無事に終え、試験に合格した者は、この講義『人間学』の単位を取得出来ることとします」
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