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長い長い講義がやっと終わり、アマンダが教室から姿を消したとき、リオは自分の座っていた岩にさっそくうつ伏せに寝転がった。
そして両手を思い切り前に伸ばすと、溜め込んでいた欠伸を盛大に披露してしまった。
すべすべした平らな岩の上に組んだ腕を置き、その上に頭を乗せていると段々と眠気が襲ってくる。
薄れていく意識を取り戻そうともせずに、リオはぼんやりと教室を眺めていた。
細かい砂が綺麗に敷き詰められた円形の床に、それを取り囲むように均等に立てられた六本の柱。
岩で出来た柱はよく手入れされていて、フジツボ一つ見られない。
そしてその上には大きな透き通った屋根……。
屋根からは何本もの細い紐状の物が吊り下がって、柱と柱の間をびっしりと埋め尽くしている。
その為、出入りする時はその紐状の物をかき分ける必要があるのだ。
この不思議な屋根……これは巨大なクラゲである。
つまりこの紐状の物とは、クラゲの足なのである。
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