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人類に翼が生えて数百年
世界はほとんど変わらなかった
変わったことがあるとすれば『翼が生えたら立派な人間』という風習が出来たことぐらいである
逆に言えば翼が生えない内はまだ『人間として未完成』ということだ
いつしか人々はそれを当然のことだと認識していた
翼が生えるには二つの条件がある
一つ、翼が生えるのは18歳になるまで
18歳を越えるとそれ以降は翼は生えないのだ
二つ、何かしらの壁を越えなければならない
例えるなら、最愛の人が死に、その悲しみを越えられれば翼は必然的に生える
特例として産まれてすぐ、又は産まれる前から翼が生えている者がいる
その者達は特別、いわばエリートとして扱われる
逆に18歳までに翼が生えなかった者は落ちこぼれと認定され、職につくことも難しいのだ
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