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墓守り
木は生い茂り、蔦が縦横無尽に延びるとある遺跡。
どれほど前からあったのだろうか、建設当時は綺麗に並ぶ豪華に装飾された神殿と石柱。
入口から本殿まで続く白い石畳。
だが、それらは今となっては昔の面影は薄れていた。
そんな遺跡の中央に質素な石棺が一つ。
その中に眠るのは、偉大な王様か、名のある英雄か、はたまた時代を統べた皇帝か。
それは誰も知らない。
そんな謎多き石棺に座る真紅のローブを羽織る誰かがいた。
その者は両肘を両膝の上に置き、うなだれている。
顔を見ようにも深く被るローブを退かしても、顔の部分には金の仮面が着けられているので、見ることは出来ない。
不気味な雰囲気を漂わせるそれは、一体何の為にそこにいるのか。
知る人は少ないだろう。
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