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志朗side
泣き声が聞こえた先に行ってみると、一人の女の子が泣きながら、川の中で何かを探しているようだった。
どうやら、サブイベントに介入したっぽい。間違いなく檸檬とヒナのイヤリング一緒に探すイベントですね。
どうやらまだヒナはまだ来ていないようだ。あんまり原作介入はしたくないのだが、檸檬が泣いている姿は見たくない。彼女は笑っている姿が一番の花なのだ。
「ー大丈夫か?」
声をかけると檸檬は振り返った。その顔は涙に濡れて、目は赤くなっていた。
多分、十歳だったと思うが、もう凄まじい美少女です。ハッキリ行って自分には眩しいです。泣いていてコレなのだから、笑顔なら言うこと無いだろう。
「ひぐっ……、えっぐっ……。」
「どうしたんだ?」
理由は知っているが一応聞くと、予想どうりイヤリングをおとしたようだ。
「じゃあ、一緒に探そう。」
ビックリしたように顔を上げる檸檬。
「…いいの……?。」
「うん。」
「…どうして…?」
「理由だけ聞いてサヨナラと言うわけにはいかないし。困っている女の子をほっとくのは嫌だからかな。」
「………………。」
沈黙する檸檬。そして。
「…ありがとう。」
今度は悲しみではなく、喜びの涙が目に溢れた。
それからは檸檬と一緒に探している所にヒナも合流し、無事にイヤリングを見つける事ができた。
ヒナが「お前だれ?」と言っていたが、俺的にはお前女か?と言いたい。どうやったら、このがきんちょがあんな美少女になるのか解らない。生命の神秘だよ!たぶん…。
そして別れ際に檸檬に友達になろうと言ったら、また泣き出した。相当嬉しかったのだろう。今回のことも友達欲しいがばかりに起こったことだし。
しばらくして泣き止んだ檸檬が、一返事で了承したので、さようならを言ってわかれた。
後にこれが「紫狼の志朗」と「銀狼の檸檬」との最初の出会いとなった。
「やべっ!名前言うの忘れた……。」
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