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檸檬やヒナと別れ、一人林を抜け町らしき所に着いた俺は重要な事に気がついた。
俺はどこに住めばいい?
あまりに迂闊なことだった。自分自身、爺に出会って転生や能力を貰えると分かって浮かれていたのかもしれない。いや浮かれていたんだろう…。
転生する時に重要である住居や戸籍の作成を忘れるとはついてない…。
はあ~、仕方ない今日は適当な所で野宿するか…。
ため息を吐きながら野宿する場所を探しに行こうと周りを見渡していると、突然右ポケットから振動を感じた。慌ててポケットを探ると以前から使っていた黒い携帯が出てきた。当時のメールや電話よりも画質が優先した物を選んで買った物だ。
宛先に神様と書いてあるが……。
ーーーーーーー
なんと言う御都合主義!
あの爺が送ってきたメールは俺の当面の悩みを吹き飛ばした。困った瞬間に、こんな事をしてくるんだからどっかで見てるんじゃないかと疑ってしまう。いや…見てるんだろうな爺。
・住宅地の一軒家を俺名義に購入。
・講座に当面の生活資金。
・宵ノ森学園への入学手続き。
なぜ俺名義かと言うと俺の両親は既に戸籍上死んだことになっている。親戚もろとも全滅で俺しか生きていないことに。流石にあの爺でも両親を用意することは出来なかったらしい。まあ自分も会ったこともない人間を、父さん母さんと呼べないので、これはこれでOKである。
どんな一軒家かと楽しめみしながら、メールに合った住所へと向かった。
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