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歩いて十分、時速七キロで進んだ俺の前方、道路の中央あたりから約五meterにそれはあった。
宵見里という以外至って普通の町の中にその家はあった。
なんか引っ張ったような表現になったが…。
あえて言おう!普通の家だ!俺ももっと主観的に客観的に御説明してあげたいのだが、どうしても言いずらい……。
まあ言うなら、よくドラマで出てくる、サラリーマンが住んでそうな家だ。色もグレーだし…。表札は犬神だし…。
別に期待していた訳ではないが、爺なら諏訪部も真っ青になるくらいの大屋敷を買ってると思ったんだが。
まあ、爺もそこまでボケていた訳では無かったらしい。一つ安心である。
ーまあ、嫌な予感はするがな…。まあ心配し過ぎが…。
ハハハッ、と自分の杞憂を笑い飛ばしながら、俺は家の玄関をくぐった。
後々、予感は当たるのだが、現段階の志朗にそれを予想するすべは無かった。
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