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紫電はヒナたちがいた所に落雷し、辺りに大量の土と噴煙を撒き散らす。
突然、巻き起こった噴煙に反射的に顔を守るヒナたちだが、戦闘中に相手から目を離すなど致命的とも言えるミスだ。
そんなミスを見逃すはずもなく、噴煙を切り裂きながら容赦なく距離を肉薄する。
距離をつめながら、うっすらと見えるヒナたちの姿に、俺はスタンガン程度に威力を落とした紫電を発射。
その数…720本。
数の暴力での『局地的面制圧』。この業でかなりの追跡者を駆逐してきた。さすがに檸檬や勇太でもこの攻撃には耐えられなかったようで、直撃範囲では何の動きもない。
(流石にやりすぎたか………?……まあ、死にはしてないから一様治療だけでもしと…ッ!!!!!!)
いきなり噴煙が割れ、銀色の弾丸がこちらに体当たりしてきた。
慌てて思考を中断し回避に移るが、僅かにかすり毛を一、二本もってかれる。
銀の弾丸の正体は、考えるまでもなく檸檬の変身である銀狼。あの攻撃を防ぎきり、カウンターで返してくるとは恐れ入った。
いや…、まてよ……。
銀狼は狼のなかでも『速さだけに特化』した狼であったはず、幾らスタンガン程度とはいえあれだけの紫電に襲われて無事な訳がない…。
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