隠し事はいつかはバレる。

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ー最近、志郎くんが学校に少し疲れた様子でやって来るようになった。 ー疲れた様子の彼に声を掛けてみるけど、『大丈夫。心配するな』としか言ってくれない。 ー志郎くんはわたしと一緒にずぶ濡れなりながらイヤリングを探してくれた、大事な幼なじみで、あの日から一番大切な人のひとりだ。 ーどんなに大丈夫だと言われても心配なものは心配。 ーだからわたしはお役目帰りに志郎くんの家に立ち寄った。 ーなんの特徴もない閑静な住宅街。 ー昔もよく親に叱られたとき、この景色を見ながら、泣きながら彼の家に駆け込んだっけ。 ー目を真っ赤に晴らして、泣きながら家に泊めて欲しいと言うわたしに、彼はいつも困ったように笑いながら、ご飯を用意してくれた。 ー中でも一人は怖いから一緒に寝ようと言っても寝てくれなかったから嘘泣きして、恥ずかしそうに一緒に寝て貰ったのは今でも覚えてる。 ーそんなこんな思い出を反芻してたら、志郎くんを見つけた。 ー携帯の時間は10時。あっちにはコンビニもなくて山しかない。…あやしい…。(10時に美少女の子が一人で野外外出するのは大変危険です。良い子は真似しないか、格闘系専門の知り合いを連れて行くことをお勧めする) ーわたしは迷わず後を付けた。 ーあわよくば志郎くんの秘密を見つけて、それをもとに交渉(強請る)して、デートに誘おうと考えたからだ。 最近はすっかり構ってくれない志郎くんには良いお仕置きだ。
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