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ー木に寄りかかるように眠りこける志郎くん。
ー丸まっていたようだけど、寝相が悪かったのか今では体を投げ出すように寝てる。
ーふふっ♪いつもはしっかり者なのにこういうところは相変わらずだよね。
やっぱり志郎くんだ。
ー寝てる志郎くんの紫色の毛皮にかがんて触ってみると、予想していたよりずっとふかふかで柔らかい。
ーわたしは思わずお腹に抱き付いてしまった。
ー抱き付いてときに志郎くんの体がブルっ!て震えたから恐る恐る窺ったみるけど、何事も無かったようにグッスリ寝てる。
ーでも、わたしが寄りかかって居心地悪かったのか、わたしを巻き込むように丸くなった。
ーよって今まで寄りかかるように毛皮に乗っかっていたわたしの体が、紫色の毛皮に包まれるようになった。
ーうっ……。暖かいけどコレじゃ出れないな~。仕方ないけど、今日は外泊かな…。お母さんには…………………志郎くんの家に泊まったって言っちゃおう。
ー毛皮からの脱出を諦め、さらに深く身を埋める。ふかふかな毛皮が、わたしを優しい気持ちにしてくれる。少しだけ志郎くんの匂いがした。
ー明日は楽しみだな~♪自分が紫狼てバレたってわかったらどんな顔するのかな?ぜ~~~えったいに!動揺するよね!今度こそ志郎くんのビックリした顔みてやるんだから!
ー重くなる瞼を開けて、最後に志郎くんの顔を見る。
ー狼の顔だけど、おんなじ狼だから分かる。穏やかな寝顔。
『お休み志郎くん…。』
お休みわたしの大事なひと。
眠りにつく二人の月明かりが優しく照らす。
まるで祝福するように…。
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