隠し事はいつかはバレる。

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(やっぱ……バレるよな。ふつう…ー。ははははっ……諏訪部に通報されるな…。) いつかバレると覚悟はしてた。無理だよ…異能だらけの街で俺だけ、ばれずにいろいろやらかそうなんて。 いつか話そう。いつか明かそう。とズルズル引きずった結果がこれだ。結局、檸檬に俺が紫狼だとバレてしまった。 心の中ではわかってた。『いつかこうなる』と。 ーーーーーーーーーーー 俺はまだ紫狼になっている。そろそろ日も高くなってきているから家に戻りたいんだが…、檸檬がなかなか起きない。よほど紫狼の毛皮が寝心地良いのか、尻尾でボフボフ!頭を叩いても起きない。 いっそのこと置いて行こうかと思い始めたころに、もぞもぞと毛皮の中で動くのを感じた。 ポフっ!と毛皮から体をだして、寝ぼけ眼で辺りを見ましている檸檬。キョロキョロと周りを見回したあと俺の視線に気づく。 じぃーーーーーーーーーー…。 穴開くほど俺の顔を見つめたあと、 「おはようー…。志郎くん。あれっ?こっちの時は紫狼くんかな?」 寝ぼけ眼で、触覚みたいな髪の毛がピョコピョコ!動いている所に首を傾げている。 その姿はハッキリ言って、も~~の凄く来るものがあるが、こっちも男。最後まで抵抗させて貰おう。
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