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好きだ。抱きしめたいほどに。でも付き合うことはできない。お互いの気持ちが重なってないわけじゃない。物理的に無理なのだ。
饗庭の家は檸檬のお父さんが外国人だったために、異国の血が入った家系とされ格が落ちた家とされているが、諏訪部の次期党首のお役目をしている位だからまだまだその格は高い。檸檬自身も一人っ子なので、お家としても誰に嫁がせるか真剣だろう。言ってしまえばお嬢様なのだ檸檬は。戦うお嬢様ってのも不思議なもんだがな…。
方や俺は、両親死亡。親戚全滅。身よりなし。能力なしと思われてる。実際は『紫狼への変身』というチート能力があるのだが、もしバレたら里中を追い回される事になるだろう。
能力がない一般的です。として檸檬と付き合うとしても、お家の方から難色を示されるだろう。付き合えたとしても自分が紫狼だということを今更隠し通せる自信はない。最悪バレたら檸檬にまで被害が及んでしまう。それは絶対に避けなければならない。
まあ噛み砕いて言えば、どっかの令嬢と犯罪者との恋愛みたいなもんだ。お話みたいに必ずハッピーエンドになるはずはない。むしろ、このての話はバットエンドになる方が高いだろう。確率が低い賭に出るほど俺は勇者じゃない。
だから俺は絶対に檸檬とは付き合えない。
紫狼の汚名がある限りは。
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