誤算!崩れ始める原作。

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まあ、良い。こいつがギャルゲー体質ね主人公だろうが関係ない。 いや、やっぱり後ろから刺されちまえ。ヒナ辺りに。 ーーーーーーー 「ところで勇太。お前なんで湿気た面してんだ?」 「それは…………、えっと………だな……………だから………………その………」 勇太は俺の突然の質問に言い澱み答えを出さない。まあ、何で悩んでいるかは知ってるんだけどな。 「当ててやろうか?新しく入ってきた深祈先生の事だろ。それも恋や一目惚れ、そう言った浮いた話題の方じゃない事がお前を苦しめてることかな?」 原因は原作どうり、黒狼に変身して深祈を傷つけた事だろう。 「………何で…分かったっだ?」 目を丸くして驚く勇太。 「あの先生を見るたんびに冷や汗かいたり、意識飛んでるところ見てたら、お前を少し知ってる人間なら分かると思うぞ。普通。」 実際、近くで見ているとすごいシュールだった。廊下や階段で深祈と会う度に、こいつは停止して目の焦点はどこかに行ってしまい、冷や汗をダラダラダラダラかきだす。そして深祈がいなくなるとゼエハァ、ゼエハァと息をはきながら壁に手をつくのだ。あれを見て恋や一目惚れとのたまう奴がいるならばそいつは眼下に行くべきだ。 勇太は俺に答えを言い当てられて驚いていたが、観念したように息を吐きだす。 「…………はあ…。やっぱり志郎にはかなわないよ。」 そう言って空を仰ぎ、唐突に語りだした。 だか俺は、 「俺がまだ「ストップだ勇太。別に俺は勇太が悩んでいる原因を言い当てただけで、お前が苦しんでる内容を聞きたかった訳じゃない。ただ単にアドバイスしようとしただけだ。」………志郎」 勇太の語りを強制的に止めさせる。実際上の事も理由にあるのだが、こいつは俺をまだ一般人としか思っていないはずだ。だから自分が狼に変身して知り合いのお姉さんを傷つけたなんて言わずに適当に誤魔化すだろう。そんな話は聞きたくないし、あの事件の当事者としては別に聞かなくても全部知っている。
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