会敵弐。見通しの甘さ。

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予想外ってのは、人生の中に良くある。 例えば、青なのに交差点から車が突っ込んできたとか、自分にはどうしようも無いこともある。 でもそれが見通しが出来て、なおかつ他に最善の手段がとれたのに取らなかったのならば、それは本人の責任になることだってある。 そう ボロ切れを纏った何かの前に、 血まみれの『檸檬』と 無傷な『勇太』が いるのも多分俺のせいなのだろう。 どうしてこうなったか、なんて俺には理解できなかった。原作に介入するために時を見計らって登場したのに、そこにあったのは三郎に全身なます切りにあっている勇太じゃなく、檸檬だった。 今までもイレギュラーな事はいくらでもあった。今まさに起きている事態も可能性になかった訳じゃない。 諏訪部に関わりたくないから、直接手助けしたくなかったからと我が儘を重ねて逃げた。 だからこうなった。 勇太が無傷で、逆に檸檬がなます切りにあうというイレギュラーが発生した。 こうなったのは自分のせい。 逃げに逃げを重ねた自分のせい。 だから、責任はとる。 壊させて貰おう三郎。
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