会敵弐。見通しの甘さ。

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「…誰だい…君は…?諏訪部の郎党の中に君のような人間は居なかったはずだ」 三郎の外見は狩衣を着た赤髪の美しい少女。外見はほぼ完璧に人間。 「あいにく、俺は諏訪部の郎党じゃない。こいつらの親友だ」 その容姿に相応しい、清らかな声が聞こえるかもしれない。 だが今は 他人を嘲り、見下し、力に酔った人の神経を逆撫でするような耳障りな声響く。 「…護衛の任務ひとつ満足にこなせない役たたずの犬どもの親友が何をしに来たんだ?あいにく僕は最強の体を手に入れたんでね。誰が来ようと無敵なんだよ!悪いけど、君のような「右腕…」……なに……?」 俺の言葉に声を止める三郎。 「いやなに…聞いた話に寄れば、勇太に右腕を喰いちぎられたそうじゃねいか。ついでに顔も引き裂かれたそうだな。」 「何が言いたい…」 三郎の声にノイズのような、機械の軋みのような音がまざり始める。 「何って、決まってるだろ。変な力集めて挑んだ物の勇太に惨敗して、右腕は喪失。挙げ句のはてに、そんな外道に手を染めるんだ。…卑怯者だよ…お前は。そこら辺でナイフ片手に人脅してるチンピラとなんら変わらねえよ!」 「ぼ、僕がチンピラと同じだと…。」 三郎の声に僅かな変化が生じる。
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