会敵弐。見通しの甘さ。

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だが三郎が振り下ろした斬撃はむなしく空を切った。 「ばかな!」 ーたかが人間が僕の一撃を! 『覚えておけ』 上から志郎の声が聞こえ、反射的に上を見上げた。 目が合った 紫色の目に… そして、その背後に巨大な狼を 『雷撃千来』 そんな言葉が聞こえ、三郎が紫の光に呑まれた。 ーーーーーーーー sideー志郎(紫狼) 紫の稲妻が何千も三郎に降り注ぎ、辺りを稲光で染め上げる。 今放った『雷撃千来』いつぞやの勇太たちに放った物とは、威力も量も桁違いな物である。 紫電一発の電圧は、百万ボルト 数に至っては、一万本であり、かの電気ネズミも真っ青な技だ。 「でも、腐っても甲賀か…」 紫電180本/秒の中でも三郎はしぶとく生きている?ようだ。未だに降り注いでいる紫電の中からついに飛び出してきた。 ただ、紫電のなかで無事な訳がなくその有り様はかなり悲惨だ。 着ていた狩衣は全焼。体は真っ黒に炭化し、顔はただの木目のある顔の形をしているだけ、刀を持っていた右手は消えている。
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