会敵弐。見通しの甘さ。

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一方、千切れた本体は重力に従い地面に落下した。 ただし、通常の落下速度9.8m/S*Sを遥かに上回る速度でだが。 自分も重力に従い地面に足を下ろすが、隆起した地面からチラリと見える三郎の体は悲惨の一言。 真っ黒に炭化、両手両足一本ずつの欠損。 コレが美少女人形だったと誰が気づくだろう。 『志郎、分かるかい?美少女の喪失は世界の喪失なんだよ。』と前世で某自宅警備員の奴が言っていたが、はたしてコレを見て奴が同じ事言えるだろうか。 俺だったら、二度と言わん。 何より見た目そうでも、中身はネガティブキャンペーンやってきそうな男である。 まあ、それは良いとして、三郎が何だか起き上がってきた。 手足が一本ずつないので、立つのに失敗して二・三回跳ね転けたが。 まあ、左右違った方が喪失しているので幸いて言えば幸いである。これが同じ方の手足だったら、あと倍は起き上がるのに時間がかかっただろう。 「まさか…君があの紫狼だったとはね。予想外だったよ。よっぽど上手く隠していたんだろう…。君の事は完全な一般人だと思っていたよ」
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