会敵弐。見通しの甘さ。

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だろうな。紫狼の存在は諏訪部にバレはしたけど、俺の存在自体は絶対にバレないように細心の注意したからな。 檸檬にはバレたけど…。 檸檬にバレるのは覚悟してたよ。 檸檬は必ず俺の家に来たら、掃除と称して家の中を探し回る。 それこそ、食器棚の裏からベッドの下まで、文字通り隅から隅まで。 人が何もないと言っているのに、檸檬は毎回やる。 そんなに俺の弱みでも握りたいのか、もし握られたらどうなるのかと、恐怖心が毎回湧いている。 「まあ、苦労はしたからな。それはそうと、その程度か…。」 「なに…。」 「いや、なに。さっきあれほど大口叩いていたんだから、よっぽど御大層な体なのかと思ったら、なんかあっという間終わったからな。拍子抜けしてんだよ。」 「!?…………君にはわからないないだね。里の未来を憂う僕の気持ちが!」 「わからねえよ。外道に墜ちてでも、やらなくなちゃいけない里の未来てのは、一生かかっても理解したくねえよ。」 「所詮は君も、力を持った者。力及ばず、里の危機に何もできず涙したことも有るまい。僕もこんな物に頼りたくはないよ。しかし、変えねば成らぬ未来がある!この里で産まれ、育つ幾千の命のためにも!」 おいおい、なんか良い人ぽくなってきたぞ、いかんぞ惑わされるなこいつは理由はどうあれ檸檬をナマス切りにした奴だぞ。それだけで十分デストロイするに値する行動だ。万死に値する。と言うか、三郎知ってたのねこの後のクーデター。なる程それを防ぐためにも行動に出たと。自らの命と引き換えに里を救う。自己犠牲。ヤバい!ヤバい!ヤバい!なんか良い奴ぽく見えてきてる~!
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