バレた代償と新たな決意

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「あなたが、紫狼だったのね」  そう言いつつ、微笑みを、うかべている女性。 なにこれ…デジャブ?  祈願にして生贄の一族『穂高深祈』  願えば、必ず叶うと祈願の力はまさに公式チートだが…、使う度にその『祈願』に見合う寿命を削られるその力は、ハッキリ言って絶対に欲しくない力の一つである。  ちなみに『三郎の死』を祈願した場合、深祈は確実に死にます。(原作では、 川で溺れた勇太の『蘇生』を祈願したら吐血するレベル)  つまり、三郎クラスの化け物に対して、最終兵器として捧げられる(祈願させる)のが穂高の一族。  故に生贄の一族と言う訳だ。 …………今、思ったんだが、一方間違えたら俺が祈願(殺害)されてたのかもしれんな。……危なかった。 「………………」  とりあえず返事はせずに、紫狼から元の体に戻る。  今さらだけど、俺は紫狼から人に戻っても、脱げないからね。  なんか知らんけど、スッポンポンで変身しても、戻ったら服着てるだよ。不思議、不思議。  跪いて、気絶してる檸檬の安否を確認した後、服を脱いで寒くないようにくるんでやる。  しっかりと服と服を結んで、檸檬の肌が外に晒されないようにする。 これでよし。後は…  膝裏と肩に手を回して、ヒョイと持ち上げる。  そのまま、穂高まで近づき、そっと、檸檬を差し出す。 穂高も俺の意志を汲み取って、驚きながらも、しっかりと檸檬を受け取った。
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