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「起きろっすバカ兄貴!」
尋常じゃない威力で自分の兄の顔をひっぱたけば、死にそうなくらいの絶叫が家に響く。
「ぎゃああああああっ!」
「うっせぇっす!」
パンッ!
「ちょっ!妹よ!ホント!ホント痛いから!」
そのまま死ねば良いと思いながらも口に出さない私はきっと兄想いの優しい妹。
部屋から出てリビングに戻れば、2人暮らしで弁当を作れる人間は私しかいない。
だから仕方なくバカ兄貴の分まで作ってやってるってのに、あの野郎は毎日のように女の子を部屋に連れ込むっす!
少しは年頃の妹の気持ちを考えてもらいたいのに。
「やっべ遅刻だ!」
「わかってるっす!ほら弁当!」
「おう、さんきゅ♪いつも悪いな」
そう言ってニカッと笑うバカ兄貴。
…いつもこんな感じならカッコイイのになあ。
「ほれ、早く行くぞ」
「あ!待つっすよ!バカ兄貴!」
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