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「さてさて…今日の朝ごはんは何を作りましょうかね?」
朝、一人の少年は灰色の髪をガシガシと掻きながら、何かを悩んでいた。
「朝だからな…やはりここは王道の卵焼きでいくか、敢えてカレーというコッテリにするという手もあるんだが…」
一人の少年が頭を悩ませていると、台所に一人の子供が顔を出した。
名前は青柳ソウスケ。
茶色い髪にあどけない表情は、まだまだ子供だという雰囲気を醸し出している。
そんな彼は、今年で10歳になる。
「レイ兄ちゃん何作ろうとしてるの?」
「うん?あぁソウスケか。
えっとだな~王道の卵焼きでいくか、敢えてのカレーでいくか迷ってたんだよ」
そして、少しかったるそうに唸る灰色の髪のこの男は、只今16歳。今日も朝ごはんの献立と格闘中である。
「何で朝の献立にカレーっていうコッテリしたのが来るの…普通に卵焼きにしなよレイ兄ちゃん」
ソウスケは来て良かったと、溜め息を吐く。
レイはちゃんと見張っていないと、何を作るか分からないのはここでは有名な話だ。
「いや、だがそれではつまらな…」
「じゃないとマユミ姉さんが怒るよ?」
レイ兄ちゃんこと、レイはその言葉を聞くと、歯痒そうな顔をして溜め息を吐く。
「むぐぐ…!!なら仕方ないな…」
レイはつまらなそうな顔をしつつ、料理を仕上げていった。
「全く…いつも王道か邪道で邪道を選ぶんだから食べるこっちの身にもなってよ。
まあ味は美味しいから食べれちゃうけど」
「なら最初から文句言うなっ!!」
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