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今の流れから推測すると、ここは俺の元いた世界とは違う世界なのだろう。
「貴女がこの世界に俺を連れてきたという事で良いんですか?」
紫と呼ばれた女性に確認する。
「ええ、そうよ。私は八雲紫、よろしくね。」
そう言って右手を差し出す紫。俺はその手を取った瞬間に違和感を感じる。
「紫さん、貴女は人間じゃないですよね?」
初対面の女性を人外呼ばわりするとは失礼にもほどがある。
しかし紫は嬉しそうな表情を浮かべると頷いた。
「そうよ、私は妖怪よ。やっぱり外で能力に目覚めた人間は違うわね。」
そう言うと彼女はどこかへ消えてしまった。
「まったく、紫は言いたいことだけ言って変えたわね。」
アリスが溜息をつく。
「嵐のような人だったな。」
同じく溜息をつき、アリスを見る。
そしてほぼ同時に笑い出す。
「これからよろしく頼むよ、師匠。」
「アリスで良いわ、私も宵風って呼ぶから。」
これから面白くなりそうだ。
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