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それから数日間、俺はアリスからこの世界、幻想郷や弾幕ごっこについて等の基本的な知識等を実践込みで教わった。
その結果、空を飛ぶ技術や最低限の弾幕ごっこをこなせるようになり、それに比例して魔力のコントロールも上手くなってきた。
「基本的な事はもう大丈夫ね、人形の扱いももう大丈夫みたいだし安心して外に出せるわ。」
外に出せる。その言葉に俺は反応した。
アリスは俺の反応に気づいたのだろう、俺を後ろからそっと抱きしめて優しく囁く。
「大丈夫よ、追い出したりなんかしないわ。ただ外に出ても妖怪くらいなら対処できるって事が言いたかったのよ。」
どうやら俺の杞憂に終わったようでよかった。
「良かった、ありがとう。落ち着いた。」
俺が冷静になったのを確認して、アリスが部屋の奥から二体の人形を呼び寄せる。
「これは師匠として一人前になった弟子への餞別よ。」
そう言って手渡されたのは金髪に赤い服を着た人形と銀髪に青い服を着た人形。
「赤い服の子が希臘人形で青い服の子が波斯人形よ。」
まるで我が子を紹介するかのように微笑むアリス。
「ありがとう、アリス。」
そう言って受け取った二体の人形に魔力の糸を繋ぐ。
「これからよろしくな、希臘、波斯。」
二体の人形が微笑んだような気がした。
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