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ふた月の間、母の胎内で眠り、生まれる事を夢見ていた少女。その夢はもう、永遠に見る事は叶わない。 白く無機質な建物に、夜の帳が下りる。 その中の一室には、これで夢が叶う、と安堵の表情を浮かべる、母だった女の姿。 空には下弦の月が、鈍く輝いていた。 ─FIN─
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